岡山東 №98
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令和2年度税制改革に関する提言(要約)Ⅰ 税・財政改革のあり方 1 財政健全化に向けて プライマリーバランス黒字化目標の達成時期が2025年度に大幅に延期されたが、いわゆる2025年問題のことを考えると、それまでに黒字化を達成しておくことが極めて重要である。 2 社会保障制度に対する基本的な考え方 持続可能な社会保障制度を構築するためには、「自助」、「公助」、「共助」の役割と範囲を見直し、公平性からの視点も重要であることから、高齢者においても能力に応じた負担をすべきである。 また、企業への過度な負担は、経済成長の阻害要因となり行うべきではない。 3 行政改革の徹底 議員定数、公務員定数等の削減を求めているが、議員定数削減など健全化にむしろ逆行している状態である。直ちに、行政経費の無駄の削減、積極的な民間活力を導入した成長戦略の実行を求める。 4 消費税引き上げに伴う対応措置 軽減税率の導入は既に決まっているが、事業者の事務負担の増大など税制上の問題点も多く、税率が10%程度までは単一税率が望ましいことを改めて表明する。 5 マイナンバー制度について プライバシーの保護の観点から制度の適切な運用を担保する措置を取り、国民の利便性を高めるためには、申告手続きの簡素化、各種手当の申請手続きの簡略化を図るべきである。 6 今後の税制改革のあり方について 社会情勢・国際情勢を適格にとらえ、税制全体を抜本的に見直していくことが重要である。Ⅱ 経済活性化と中小企業対策 1 法人実行税率について OECD加盟国の法人税実効税率平均25%とアジア10か国の22%と比較しても依然として税率格差がある。当面は引き下げの効果を確認しながら、将来は更なる引下げも視野に入れる必要がある。 2 中小企業の活性化に資する税制措置 ①中小法人に適用される軽減税率の特例の本則化および適用所得金額を1600万円へ引上げ②中小企業投資促進税制の制度を拡充しての本則化③少額減価償却資産の全額損金算入額300万円の上限を撤廃 3 事業承継税制の拡充 今後更に次の見直しを求める①事業用資産を一般資産と切りはなした本格的な制度の創設②相続税、贈与税の免除制度に改める③「特例承認計画」の提出期限について配慮すべきである。Ⅲ 地方のあり方 国と地方の役割分担を見直し、財政や行政の効率化を図る地方分権化は地方活性化には重要な課題である。 したがって、地方は自らの責任で次の5つの課題について改革を実行していかねばならない。 ①地方創生では、本社機能の移転の促進、技術集積づくりや人材育成等の改革に加え、中小企業の事業承継の問題に集中的に取り組む。 ②広域行政の取組みによる行政の更なる効率化を進めるため、基礎自治体の拡充を求める。 ③行財政改革では「事業仕分け」のような民間チェック機能を生かした手法を用いて行うべきである。 ④地方公務員給与は地方の民間企業の実態に即したものにするなど適正な水準に是正すること。 ⑤地方議会のスリム化、また、議員報酬、委員会委員の報酬についても見直しを求める。Ⅳ 震災復興 東日本大震災の復興についてはこれまでの効果を検証しつつ、適切な支援に努め被災地における企業の定着、雇用の確保を図る観点から、実効性のある措置を求める。また近年震災と同様大規模な自然災害が相次いで発生しているが、東日本大震災などの対応を踏まえ被災地の確実な復旧・復興等に向けて取り組まねばならない。Ⅴ その他○国税と課税基準を同じくする法人の道府県民税、市町村民税、法人事業税の申告手続きにつき一層の合理化をするなど、納税環境の整備を求める。○税の意義や税の果たす役割について学校教育はもとより、社会全体で租税教育に取組み、納税意識の高揚を図っていくことが必要である。--13

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