岡山東 №98
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何かないかな? 歩いて探そう旧岡山市内その①岡山城下の東の入口…京橋で江戸時代の起点元標を探してみる! 始めまして。令和から新しく連載を担当させていただくことになった、(公社)岡山東法人会広報委員会の『元石関小僧』こと三村康彦です。岡山税務署(現岡山東税務署)とのご縁も100年を越えました。血縁は明治期に岩田町にて印刷業を創業し、我々は大正3年に石関町で創業した生粋の印刷屋です。生まれた旧岡山市内界隈をてくてく歩いて何か落し物はないか?と捜してみようと思っております。寛容なお心をもってお付き合いいただければ幸いです。<(_ _)>岡山城下の街道往来起点は…仙阿弥橋だったらしい! 岡山城下は東に旭川、西南北に掘割を据え、1570年から宇喜多直家・宇喜多秀家・小早川秀秋・池田忠継・池田忠雄と経て、1615年に岡山城は完成されました。城や曲輪の構造については多くの書物も出ていますので言及いたしません。あしからずお許しください。 江戸期に入って平安な時間が過ぎると諸国を繋ぐ街道が整備されます。そのうち岡山城下を通過する『街道』と岡山城下を起点とする『往来』があったそうです。山陽道・津山往来・鴨方往来(笠岡往来・福山往来)・下津井往来(金毘羅往来)・牛窓往来などがそうです。 江戸時代は街道往来の岡山城下の起点地は、現栄町商店街のアーケード下にあったといわれます。当時の名称は『仙阿弥橋(せんあみはし)=千阿弥橋』と呼ばれていました。 仙阿弥橋は城下の古地図によると、『三之曲輪(さんのくるわ)』と『三之曲輪の内』を結ぶ橋です。現在の表町商店街は当時の山陽道の跡です。 ちなみにこのまま北上し上之町を出たところで左折し、現在の柳川の交差点付近が『山﨑町口門』でした。ここから二十日堀を越えて西へ山陽道を進んでいくことになります。そういえば柳川交差点に建つ高層マンションの地盤工事をしているときに、掘割の石垣が無数に出土していました。工事塀の隙間から見え隠れしていたのは今となっては興味深い出来事です。出土から数日ですぐに消えてしまったあの石はどこに行ったのでしょう? さて、山陽道が岡山城下に入った場所が『京橋』。そのまま西進し西大寺町商店街を時計台前まで進み、右折200m北上するとそこには南北に架かる仙阿弥橋があったそうです。現在はその面影は全くありませんが江戸時代の元標はここから始まっていたそうです。今も昔も表町商店街界隈は人々の往来の中心地点だったのですね。 このすぐ近くには『鐘撞堂(寛文6年(1666年)栄町に設置、岡山大空襲で焼失)』があったそうです。小生の父も幼き頃鐘音を聞いたと話していました。大正期の版画家 川瀬巴水もこの鐘撞堂を題材にした版画作品を作っています。京橋には…???があったという! 江戸時代は旭川を渡る京橋には木造の橋が架けられていました。現小橋・中納言あたりは城下に入る直前の休憩場所で、東西中島町・小橋町には菓子屋や茶屋や憩いの宿屋があったと聞きます。 いよいよ城下に入るという場所が『京橋西詰』です。そこには大きな木門があったとあります。江戸時代は城下を通過する旅人や国人の出入りを管理するために設置されたようですが、明治になって京橋の架け替え工事の折その重厚な木門は撤去されました。…がしかし、その京橋西詰門は現存しています。現在は個人の邸宅なので詳しい場所は書けませんが、小串地区に移設されています。その重厚な造りは一見の価値があります。 太い梁、重厚な柱は四方角を鉄板で補強し、閂用の鉄枠を留めるための大きな釘隠しがあります。 現在の京橋には、明治期の『里程元標』の石柱や大正期の『道路元標』が遺構として残っています。この話は次回の号に送りましょう。 毎月最初の日曜日、京橋朝市が開かれています。明治大正期は海上往来も盛んな一大商業エリアでした。そんな話を歩いて探したいと思っています。今号お読みいただきありがとうございました。岡山城下界隈絵地図岡山城下図…池田家文庫絵図:岡山大学絵図公開データベースシステムより転載【絵図分類名:城下図T6 資料番号:T6-40 題:岡山城下之図 年代:未詳サイズ170×120 http://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/ikedake/zoomify/T6-40.html】左上○:山﨑町口門(山陽往来出口) 中央下○:仙阿弥橋 右下○:京橋口(山陽往来入口)参考古地図:備前国岡山城絵図(正保年間)昭和61年重要文化財指定国立公文書館デジタルアーカイブより転載(https://www.digital.archives.go.jp/DAS/pickup/view/category/categoryArchives/0300000000/0305000000_6/01)小串地区に現存する京橋西詰門京橋西詰仙阿弥橋跡付近 左右に橋が架かっていたらしい--11
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