東法人会 94号
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平成30年度税制改革に関する提言(概要)Ⅰ 税・財政改革のあり方1 財政健全化に向けて 歳入については安易に成長を背景にした税の自然増収に頼ることなく、真の財政健全化を達成するため、プライマリーバランス黒字化に向けた道筋を明確に示し、着実に実行することが重要である。2 社会保障制度に対する基本的な考え方 高齢化社会が到来した今、社会保障は「公助」に大きく頼るのではなく、「自助」・「共助」の役割をどうバランスを取るべきかが重要である。3 行政改革の徹底 国および地方の議員定数、公務員の削減から人件費を抑制し、経費の無駄をなくし、民間企業の活力の導入を行い成長に繋げる。4  消費税引き上げに伴う対応措置 軽減税率の導入については税率が15%まで実施しない方が望ましい。軽減税率の導入には課税の公平面からインボイスの導入が欠かせないが、事業者の事務負担、税制の簡素化、税務執行コスト並びに税収確保の点から問題がある。5 マイナンバー制度について 制度の理解を早急に高める必要がある。プライバシーの保護の観点から制度の適切な運用を担保する措置を取り、国民の利便性を高めるためには、申告手続きの簡素化、各種手当の申請手続きの簡略化を図るべきである。6 今後の税制改革のあり方について 税制全体を抜本的に見直していくことが重要である。Ⅱ 経済活性化と中小企業対策1 法人実行税率について OECD加盟国の法人税実効税率平均25%と比較しても依然として税率格差があり、当面はその効果を確認しながら、将来は更なる引下げも視野に入れる必要がある。2 中小企業の活性化に資する税制措置 ①中小法人に適用される軽減税率の特例の本則化および適用所得金額を1600万円へ引上げる。②中小企業の技術革新等経済活性化に資する措置は、制度を拡充して本則化すべきである。③少額減価償却資産の取得価格の全額損金算入の特例措置は本則化するか、適用期間の延長をする。3 事業承継税制の拡充 我が国企業の大半を占める中小企業は、地域経済の活性化に大きく貢献しており、その経済基盤を支えている。中小企業の事業の継続は、我が国経済の根幹を揺るがす重要な問題であることから①事業用資産は一般の資産と切りはなした本格的な事業承継税制の創設②相続税、贈与税の納税猶予制度について死亡時までを5年経過時点で免除する。Ⅲ 地方のあり方○地方活性化には、国と地方の役割分担を見直し、財政や行政の効率化を図る地方分権をさらに進める必要があるが、現在政府が進めている地方創生戦略の進化も重要である。共通理念として指摘しておきたいのは地方の自立・自助の精神である。○ふるさと納税制度の過度の競争には問題があり、適切な見直しが必要である。○国だけではなく地方の財政規律の確立を求める。自らの責任で企画・立案して実行する必要がある。Ⅳ 震災復興 復興事業に当たっては、予算を適正かつ迅速に執行する。原発事故への対応を含めて、適切な支援を行うこと、被災地における企業の定着、雇用確保から実効性のある措置を講じるよう求める。Ⅴ その他 国税と課税標準を同じくする法人の道府県民税、市町村民税、法人事業税の申告納税手続きにつき、地方消費税の執行と同様一層の合理化を図るべきである。 また、税の意義や果たす役割を国民が必ずしも理解しているとは言えず、学校教育はもとより、社会全体で租税教育に取り組み、納税意識の向上を図っていく必要がある。--13

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