東法人会 92号
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平成29年度税制改革に関する提言(概要)Ⅰ 税・財政改革のあり方 1 財政健全化に向けて   歳入については安易な自然増収に頼ることなく、歳出については具体的な削減の方策と工程表を明示して、着  実に改革を実行するよう求める。 2 社会保障制度に対する基本的な考え方   持続可能な社会保障制度の構築のためには、「給付」を「重点化、効率化」することによって、可能な限り抑制  するとともに、適正な「負担」を確保する必要がある。 3 行政改革の徹底    「行革の徹底」には、地方を含めた政府、議会が「まず槐より始めよ」の精神で自らの身を削ることを求める。 4 消費税引き上げに伴う対応措置   ①事業者の事務負担、税制の簡素化等の点から税率10%までは単一税率が望ましい、②「消費税転嫁対策特別  措置法」を検証し、実効性のある対策を求める。③消費税の滞納防止は重要な問題執行面において更なる対策を  講じる必要がある。Ⅱ 経済活性化と中小企業対策 1 法人実行税率について   OECD加盟国の法人税実効税率平均25%と比較しても依然として税率格差があり、当面はその効果を確認し  ながら、将来は更なる引下げも視野に入れる必要がある。 2 中小企業の活性化に資する税制措置   ①中小法人に適用される軽減税率の特例の本則化及び適用所得金額を1600万円へ引上げる。②中小企業の技  術革新等経済活性化に資する特例措置は、直ちに本則化すべきである。③中小法人に適用される中小法人の提議  の見直しについて、制度の改定については慎重に検討するべきである。 3 事業承継税制の拡充   我が国企業の大半を占める中小企業は、地域経済の活性化に大きく貢献しており、その経済基盤を支えている。  中小企業の事業の継続は、我が国経済の根幹を揺るがす重要な問題であることから①事業用資産は一般の資産と  切りはなした本格的な事業承継税制の創設②相続税、贈与税の納税猶予制度について要件緩和③親族外への事業  承継に対する措置の充実④取引相場のない株式の評価の見直しを求める。Ⅲ 地方のあり方  ●地方活性化には、国と地方の役割分担を見直し、財政や行政の効率化を図る地方分権をさらに進める必要があ   るが、現在政府が進めている地方創生戦略の深化も重要である。共通理念として指摘しておきたいのは地方の   自立・自助の精神である。  ●ふるさと納税制度の過度の競争には問題があり、適切な見直しが必要である。  ●国だけではなく地方の財政規律の確立を求める。自らの責任で企画・立案して実行する必要がある。Ⅳ 震災復興  復興事業に当たっては、予算を適正かつ迅速に執行する。原発事故への対応を含めて、適切な支援を行うこと、  被災地における企業の定着、雇用確保から実効性のある措置を講じるよう求める。--13

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