東法人会 会報 №88
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11Ⅰ 社会保障と税の一体改革と今後のあり方1 社会保障制度のあり方に対する基本的な考え方 我が国の社会保障制度は「中福祉」・「低負担」であり、高齢化社会の急速な進展のため、給付の拡大が避けられず、社会保障制度の改革は急を要する。2 消費税引上げに伴う対応措置 消費税率の引上げに当たっては、中小企業が容易に価格に転嫁できるよう配意すること、事業者の事務負担、税制の簡素化等の点から税率10%までは単一税率が望ましいこと、「請求書保存方式」の継続、消費税の滞納防止に向けたより実効性のある対策を講じることなどを要望。3 財政健全化に向けて 財政再建に向けて、聖域なき歳出の削減、消費税率引上げに伴う経済対策は財政健全化の阻害要因にならないよう配意、国債の信認を維持するために細心の財政運営を行うこと。4 行政改革の徹底 国・地方の議員定数の削減、歳費の抑制、公務員の削減と人件費の抑制、特別会計と独立行政法人の無駄の削減を要望。5 共通番号制度について 制度の内容をよく周知すること、国民の利便性の向上を第一に、個人情報の漏えい、プライバシーの保護に配意すること。6 今後の税制改革のあり方 国際間の取引の増大や多様化、諸外国の租税政策等の国際的整合性、経済の持続的成長と雇用の創出、少子高齢化、人口減少社会の急進展、グローバル競争とそれもたらす所得格差など、経済社会の構造変化などへの対応について、税制全体を抜本的に見直すことが課題である。Ⅱ 経済活性化と中小企業対策1 法人税率の引下げ 国際競争力の強化や、外国資本の誘致のため法人税の負担を軽減している他の国との格差を縮小するため、実効税率15%を着実に実行すべきである。その財源は中小企業に十分配慮したうえで、恒久的財源を確保すべきであり、税制全体の改革のなかで検討すべきである。2 中小企業の活性化に資する税制措置 中小企業の軽減税率15%の本則化と、その適用対象所得の引上げ、中小企業の技術革新など経済活性化に資する措置は、対象設備を拡充するほか、「中古資産」を含めること、少額減価償却資産の一括損金算入の上限(合計300万円)を撤廃する。3 事業承継税制の拡充 中小企業者は我が国企業の大半を占め、地域経済の活性化、雇用の確保などに貢献しており重要な存在である。その中小企業者の事業の円滑な承継に配意するため、要件緩和などの改正を要求する。Ⅲ 国と地方のあり方 地方分権は権限と責任が国から移行することを意味し、地方の責任において政策の企画立案をし、実行することである。しかも財政については更なる効率化を求め、道州制の採用、民間のチェック機能を生かした「事業仕分け」を採用すること、人件費も民間企業の実態に準拠した給与体系に見直すこと、地方議会などのスリム化と高い報酬の一層の削減並びに政務調査費の適正化を求める。Ⅳ 震災復興 復興事業に当たっては、予算を適正かつ迅速に執行する。原発事故への対応を含めて、適切な支援を行うこと、被災地における企業の定着、雇用確保から実効性のある措置を講じるよう求める。平成27年度税制改革に関する提言(概要)

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